怪我をした時の「合目的性」〈その8〉
2011/03/09 Wed
昨日、肺炎球菌やヒブワクチンが関係した同時接種後の死亡例について、検討会が行われたようですが、結果は以下のようになりました。
【速報】ワクチン2種、見合わせ継続
問題なのは、「いずれも接種との明確な因果関係は認められない」としたにも拘らず、更に情報収集が必要だとして、接種を見合わせしたことです。「明確な因果関係が認められない」ということに自信があるのであれば、接種の続行を認めれば良い訳ですし、もしも、どこかに疑問な点があれば、それを直接言えば良いのではないでしょうか。
それを、曖昧な形で、2週間も先延ばしにするのは、何だかお役所仕事のような感じがして、感心できません。例えば、心疾患のある方には、同時接種は行わない、などの縛りをつけて、続行しながら、データーを集める、という方法もあったかと思われます。その点はとても残念です。
さて、前回は、〈その4〉から引き続き、炎症とは何か、について比喩話を行いました。
その中で、『消炎鎮痛剤』などのクスリは、言わば、「【街を静かに】を訴えすぎる社会運動家」というようなお話を致しました。
今回は、炎症に対して、クスリを使うという事が、その後、どういう結果を生むのか、ということを、引き続いて同様な比喩を使って説明していきたいと思います。
前々回に書きました『消炎鎮痛剤』に関する喩え話をもう一度引用してみます。
そのようなクスリは、都会の大地震という比喩の上では、大都市の復興工事に伴う震動や騒音を起こさないようにする、という話になります。そのためには、どうすれば良いでしょうか。
…そうです。震動を起こしたり、騒音を出したりするような、ダンプカーを走らせないようにしたり、工事機械を働かせたりしなければ、良い訳ですね。
という訳で、【街を静かに!】なんて住民運動が大々的に起き、その結果、これらの大型車や機械を動かさないようにとなってしまったので、街は、大地震が起きて、その騒ぎが治まった直後と同じくらいに、静かになりました、とさ。メデタシメデタシ…。
そして、その場合、
街の復興工事には不可欠な大型車や機械は動けなくなってしまいました。つまり、街の復興はストップしてしまった、ということですね。そうなると、大地震後の崩壊した建物が放置されている状況が相変わらず続く、ということですね。
という話もさせて頂きました。
実際、この比喩にあるように、崩壊した建物を放置したままであれば、それらは、太陽の光を浴びたり、また、雨風に曝されたりする結果、ますます朽ちていってしまうでしょう。つまり、状況は、変わらないどころか、次第に悪化していってしまいます。それらの周りに震災からかろうじて逃れた建物が残っている場合にも、メンテナンスを受けないままでいると、同様に、外壁や内装がボロボロになっていってしまう可能性が高そうですね。
それは、炎症において、クスリを使った場合も、同様です。つまりは、破壊されてしまった細胞や組織は、更に悪化の一途を辿り、更に、正常な細胞もメンテナンスを受けないまま、悪化してしまう可能性もあります。
加えて、今まで敢えて書きませんでしたが、比喩の世界では、電気・ガスや水道等のライフラインもやられてしまうでしょうし、インターナットやテレビ・ラジオなどの通信網も破壊されてしまうでしょう(ラジオは災害に強いかも知れませんが)。このような状態が続けば、次第に社会生活は混乱していくに相違ありません。
(まあ、こんな状況でしたら、【街を静かに!】なんて社会運動も起き得ようも無いと思われますが、)このような状況は、現実の炎症下でも、神経系やホルモン系の調節の混乱として現れてくることでしょう。
以上のように、振動や騒音を嫌うがための住民運動を続けても、ロクな結果を産まない、ということが言えると思います。まあ、例えば、一日とか期間を決めて、その間は静かに過ごそう、というのであればまだ良いのですが…。
同様のことが、『消炎鎮痛剤』などのクスリにも言えます。つまり…。…この続きは、次回〈その9〉でお話しさせて頂く事にします。
では、また。Dr.JINでした。
テーマ : 美容・健康・アンチエイジング
ジャンル : ヘルス・ダイエット
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